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就職活動における人事部と学生

エントリーシートの「大学時代に頑張ったこと」には何を書くべき?

自分のイメージ

前回の記事に引き続き、今回もエントリーシートに書くべき内容について紹介していきます。エントリーシートに「大学時代に頑張ったことは何ですか?」などの質問項目が設けられている場合もよくあります。

この質問に対する回答として、「自分にはこんな実績があります」と誇らしげに語れる経験があればよいのですが、そういった実績が特に見当たらない学生も多いと思われます。そこで今回は、大学時代のエピソードを記述する際のヒントを紹介しておきます。

 

「学生時代に頑張ったこと」と言われても・・・

エントリーシートを書くにあたって、「少しでも自分を認めてもらいたい」と考えるのは自然なことです。「大学時代に頑張ったことは何ですか?」の質問項目は、自身の魅力をアピールするのに最適な設問といえますが、「そうは言われても・・・」と困惑してしまう学生も多いでしょう。「全国大会で優勝した」とか、「コンクールで入賞した」といった輝かしい実績があれば話は別ですが、ほとんどの学生はそのような経験を持ち合わせていないと思われます。

普通に大学に通い、アルバイトやサークル活動に励み、友人との交遊も楽しんだ。でも、いざ就活になって思い返してみると、「他人よりも凄い」と胸を張れる経験は何もない。そういった学生にとって「大学時代に頑張ったことは何ですか?」の質問は、頭を悩ます設問になるかもしれません。でも、心配する必要はありません。なぜなら、就活をする学生のほとんどが、貴方と同じ「普通の大学生」にすぎないからです。

企業の立場から見ても、「普通の大学生」であることに何ら問題はありません。確かに「全国大会で優勝した」などの実績がある人は素晴らしい学生といえますが、それが必ずしも仕事に活かせるとは限りません。また、企業も、そういう学生だけを求めて採用活動をしている訳ではありません。だから、無理してまで「普通でない学生」を演じる必要はありません。

 

背伸びは危険、ありがちな失敗例

では、どのような内容をエントリーシートに記述すればよいのでしょうか? 単に「大学に通い、アルバイトをして、サークル活動も頑張りました」では面白みに欠けます。そこで、なんとか自分を大きく見せようとして、背伸びをしてしまう学生も多いようです。

「大学時代に頑張ったこと」への回答としてよくある例は、

 ・部活やサークルで幹事をしました
 ・◇◇のバイトを頑張りました
 ・△△でボランティア活動をしました
 ・☆☆へ放浪の旅をしてきました

などの記述です。こういった内容を書くこと自体は、なんら悪いことではありません。しかし、これだけでは訴求力が足りないと考えるのか、最後に「この経験により自分は大きく成長しました」とか、「人生観が180度変わりました」といった一文を追加する学生が多いようです。

このような記述は後に大きな問題を引き起こす可能性があります。以前にも述べたように、エントリーシートは面接の事前資料としても利用されます。上記のようにエントリーシートを記述した場合、かなりの確率で「どのように成長したのですか?」と面接時に質問されるはずです。このとき、「自分が成長した点」を明確に語ることができず、しどろもどろになってしまうと、マイナスイメージしか残らない可能性があります。

「バイトを長く続けた」、「ボランティアに参加した」、「バックパッカーとして世界を旅した」などの経験は、良い経験であることに変わりはありませんが、必ずしも誇らしげに語れる経験とは限りません。場合よっては、「そんなこと時間のある学生なら誰でもできるよ」と軽視されてしまう可能性もあります。要は、「何をした」ではなく、「その内容」が大切なのです。

 

エントリーシートには面接時に話しやすい内容を書くべき

このように考えていくと、「大学時代に頑張ったことは何ですか?」の設問は、非常に答えにくい設問といえます。そこで視点を変えて、「どんな内容なら面接時に話しやすいか?」を考えてみるのも一つの手です。場の雰囲気を和ませ、面接官を微笑ませることができる、何か面白いエピソードはないか。このことをよく考えて、それに関連する内容をエントリーシートに記述します。

このとき、そのエピソードの詳細までをエントリーシートに記述する必要はありません。詳しい内容は面接時に話せば十分です。面接官が興味を持つように、あえて概略だけに留めておくのがコツです。たとえば、

大学時代は◇◇のバイトを3年間ほど続けました。バイトを始めてから約半年後に、レジのお金が2万円ほど不足する事件が起きたのですが、そのときの店長の対応が素晴らしく、今でも鮮明に記憶に残っています。「こういう人と一緒に働きたい」と感じられたからこそ、バイトを長く続けられたのだと思います。

といった内容をエントリーシートに記したとします。この場合、「店長はどんな対応をしたのだろう?」と面接官も気になるはずです。この詳細までをエントリーシートに記述しようとすると、文字数が足りなくなってしまいますし、面接時に質問してもらえる可能性も低くなります。そこで、エントリーシートの記述は概略だけに留め、面接時に訊いてもらうように仕向ける訳です。

「かなりの確率で質問される」ということは、逆に考えると「面接時の質問を予測できる」ということでもあります。自分が話しやすい内容を記述しておくことで、エントリーシートを面接対策に利用できるのです。もしかしたら、事前に用意しておいた内容を答えるだけで、面接時間の半分程度をやり過ごせるかもしれません。このように考えると、「大学時代に頑張ったことは何ですか?」は、十分に対策する価値のある設問といえます。

 

エントリーシートが利用される場面を考える

エントリーシートを書く際は、「何を自慢するか?」ではなく、「何なら話しやすいか?」を基準に記述内容を決めていくのも一つの手です。場合によっては、少しくらい質問の意図から外れた回答になっても構いません。

特に大企業の場合、面接の直前までエントリーシートが読まれない可能性も十分に考えられます。にもかかわらず、「書類選考を通過すること」だけを目指してエントリーシートを記述するのは考え物。

「エントリーシートに何を書けば書類選考を通過しやすいか」という問題は、あまり深く考えても意味のない問題です。というのも、誰がエントリーシートを読み何を根拠に評価を下すのか、といった採点基準が明確になっていないからです。となれば、書類選考を目的にするのではなく、面接対策にエントリーシートを逆利用するのも無謀な戦略とはいえません。

愚直に「質問に回答しなければ・・・」と考えるのではなく、「その質問は何に利用されるのか?」をよく考えて行動することが大切です。そうすれば、エントリーシートをより有意義な就活ツールに仕上げられられると思います。

 

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