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就職活動における人事部と学生

大変なのは学生だけ? 新卒採用における人事部の実状

目で問いかける老人

新卒の就職活動では、「大学生が四苦八苦しながら就活をしている」という話をよく耳にします。確かに就職活動は大変ですが、それは学生を選ぶ側となる企業(人事部)も同じこと。

学生の皆さんは、何とか自分の良い面をアピールしようと必死になっていることでしょう。しかし、それだけでは空回りしてしまう可能性があります。就活を効率よく進めるには、相手の立場になって物事を考え、その上で行動に移していくことが大切です。そこで、ここでは人事部の立場から就活の実状を紹介していきます。

 

人事部は上から目線で採用活動を進めている?

「ここで働きたい!」と思いを寄せる会社にエントリーして、なんとか採用してもらおうと自身を売り込んでいく就職活動。その後の人生を左右する一大イベントであるだけに、学生の皆さんは悩みに悩みながら就活を進めていると思います。

一方、学生を選ぶ立場となる人事部はどうでしょうか? 応募してきた学生をエントリーシート(ES)筆記試験で絞り込み、その後、面接で採用する人物を決定する。学生を「高い所」から見下ろしながら、『こいつは良さそうだな』とか、『こいつは全然ダメだ』という感じで悠々と採用活動を進めている、と思っているかもしれません。

でも、これは大きな間違いです。新卒採用を担当する人事部の方は、良くも悪くも単なるサラリーマンでしかありません。もっと極端に言えば、仕事帰りに安い居酒屋で、会社や上司の愚痴をこぼしているオジサンでしかないのです。

さすがに、ここまで言い切ってしまうのは何ですが、人事部というものは決して「特別な存在」ではありません。「新卒採用」という仕事をこなしているサラリーマンに過ぎないのです。だから、必要以上に畏怖することはありません。

 

「優秀な学生を集めなければ」というプレッシャー

サラリーマンである以上、人事部の方々も自分の思い通りに仕事を進められる訳はありません。上司や役員からのプレッシャーを常に受けながら仕事をしているのが実情です。新卒の採用であれば、「今年は優秀な学生を30人集めてくれ」という具合に、会社(社長)の命令に従って採用活動を行っているだけです。当然ながら「頭数だけを揃えればよい」という訳にはいきません。「優秀な学生」を決められた数だけ集めること、これが人事部のノルマとなります。

とはいえ、優秀かどうかの基準は人によりマチマチで、万人に共通する評価基準ではありません。『こいつは使えそうだな』と思って一次面接を通過させた学生が、二次面接(社長面接や役員面接)に進んだときにボロクソの評価を受ける。そんなケースもままあります。この場合、その学生を落とせばよい、だけの話では済みません。「今までお前は何を見てきたんだ」とか、「せっかく予算をつぎ込んだのに、ろくな仕事(採用活動)をしていない」と査定を下げられてしまうかもしれません。当然、来年の昇給にも悪影響を及ぼします。

このように、人事部の人も「優秀な学生を集めなければ」というプレッシャーを背負いながら採用活動を行っています。むしろ、学生以上にストレスを感じているかもしれません。中には「自分が気に入った学生」ではなく、「社長や役員が好みそうな学生」を選ぼうとして選考基準が不明瞭になり、さらにドツボにはまっていく人事部も見受けられます。

 

多くの学生を集めれば「優秀な学生」を見つけられる?

では、誰が見ても「優秀」な学生を採用するにはどうしたらよいでしょうか? その第1ステップとなるのが、できるだけ多くの学生にエントリーしてもらうこと。選考対象となる母集団が大きくなればなるほど、「優秀な学生」を役員面接に残せる可能性は高くなります。

しかし、この「多くの学生にエントリーしてもらいたい」という目論見が大きな落とし穴になる場合もあります。そこで、次回は採用予定者数と応募者数(エントリー数)に関わる問題を紹介していきます。

 

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